Related Posts with Thumbnails

多部未華子&三浦春馬「君に届け」初日に感動の大号泣

椎名軽穂の大ヒット漫画を実写映画化した「君に届け」が9月25日、全国285スクリーンで公開。主演の多部未華子、三浦春馬、蓮佛美沙子、桐谷美玲、夏菜、青山ハル、熊澤尚人監督は、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで舞台挨拶に立った。

多部は、満員の客席を見わたし「きょうという日を迎えられて心の底からうれしく思います。男女問わず愛される作品。初めての恋だったり、ささいな初めてが詰まっています」とニッコリ。三浦は、原作が現在も連載中のため、続編が製作された場合のストーリーを問われ「高校を卒業して大学へ行くのか、就職するのか、東京へ行くのか……。(多部演じる)爽子ちゃんは『私のことなんか気にしないで好きなことをして』と言うんじゃないかな」ともう想を繰り広げた。

和気あいあいとした舞台挨拶の雰囲気が一変したのは、撮影スタッフから三浦へ、原作者の椎名から多部への手紙を2人が読み上げ始めてから。「きょうまでの春馬の頑張りは、絶対に日本中に届くはず」というメッセージに、三浦は大号泣。さらに多部も、「爽子が未華子ちゃんで良かった」の一文で目から大粒の涙をこぼし、場内の女性ファンももらい泣きしていた。

原作が累計発行部数1400万部を突破した同作は、誰よりも健気で純粋ながら見た目が暗いことで周囲から「貞子」と呼ばれる女子高生・黒沼爽子が、クラスの人気者・風早翔太の気さくな優しさに触れながら、徐々に打ち解けて変わっていく姿を描く。

漫画を実写映画化するとき、二種類の方法がある。なるべく原作をそのまま再現するか、もしくは設定だけを借りて別物化してしまうかだ。具体的に何とは言わないが、ここがチグハグだと非常に残念なことになる。



で、ここ最近の漫画実写映画化ブームについては前者が比較的多いように感じるのだけど、今回ご紹介する「君に届け」もその例に漏れず、かなり原作に沿った形でキャラクターやストーリーを作り込んできた。

陰気な見た目のせいで「貞子」というあだ名を付けられ周囲から怖がられている高校一年の黒沼爽子は多部未華子が、そんな彼女が恋する爽やかボーイのクラスメイト・風早翔太は三浦春馬が、それぞれの役を好演。また、爽子の友人となる吉田千鶴、矢野あやねの二人も原作のイメージ通りでまったく違和感がない。

ストーリーの方も、ほぼ原作に忠実。エピソードはもちろん全てを収録しているわけではないし、2時間でまとめるためにオリジナルの要素も混ぜてはあるが、重要なポイントはきっちり押さえており、「原作通り」という意味では文句の付けようもない。 ……しかし、である。

なんというか、原作通りなのだ。つまり、「少女漫画」なのである。

いや、原作は少女漫画だからそれは当たり前なのだが、なんというか、少女漫画のノリそのままの映画なのだ。そしてなぜか漫画だと素直に感動できていた場面や台詞が、きっちり実写として再現されてしまうと、妙にこっ恥ずかしい気分になってしまうのである。もし試写室に筆者しかいなかったら、頭を抱えて赤面しつつ床をゴロゴロ転がっていたかもしれない。そうだ、これはアレだ、「耳をすませば」を見た直後の気持ちと同じだ。



でもよく考えてみれば、これが年を取るということなのかもしれないね……。

いずれにしても本作は、原作そのままの甘酸っぱい雰囲気を求める方にとっては期待を裏切らない出来に仕上がっているし、爽子や翔太と同年代のティーンにとっては共感できるラブストーリーとして心に響くことだろう。

ただし筆者と同年代の男性の皆さんは、どうか"耳すま症候群"に気をつけてご覧ください。

(文:山田井ユウキ)

映画「君に届け」 (C) 2010映画「君に届け」製作委員会 (C) 椎名軽穂/集英社映画「君に届け」 (C) 2010映画「君に届け」製作委員会 (C) 椎名軽穂/集英社(ハリウッドチャンネル)

Back to Top