俳優の三浦春馬が、青山真治監督の最新作「東京公園」で、女優の榮倉奈々、小西真奈美、井川遥と共演することがわかった。三浦は、公園で家族写真を撮り続けるカメラマン志望の大学生・光司に扮する。
同作は、「東京バンドワゴン」でブレイクした小路幸也の同名小説が原作。三浦演じる光司のもとへ、「彼女を尾行して写真を撮ってほしい」という突然の依頼が舞い込んだことをきっかけに、ゆるやかな距離でつながっていた女性たちとのあいまいな関係が微妙に変化していく様子を描く。
これまで「君に届け」「奈緒子」「恋空」など青春映画への出演が相次いだ三浦にとって、人間関係の間で揺れ動く繊細な役どころは新境地。役づくりには苦労しているようで、「セリフにどことなく優しさがあって柔らかい感じなのかなと思います。でも、ちゃんと人と向き合えていないところも見えてくるので、本当につかみにくいですね」と話す。それでも、「映画の余韻を残してくれる脚本。その部分は絶対に殺したくないし、見終わったあとに『映画っていいよね』と思ってもらえる作品になってほしい」と意欲的だ。
榮倉は光司の幼なじみで同居人ヒロの元恋人・富永、小西は親の再婚で義弟になった光司を見守り続ける姉・美咲、井川は光司にカメラで撮られ続ける女・百合香をそれぞれ演じる。3人は、「偶然の出来事を大切にしてくれて、楽しんで受け止めてくれる」(榮倉)、「ものすごく面白いアイデアの演出をするので、毎回楽しみに現場へ向かっています」(小西)、「監督は光司の目線に立っていらっしゃるので、いつも監督を遠くから眺めている感じ」(井川)と青山監督へ絶大な信頼を寄せている。
「サッド ヴァケイション」(2007)以来4年ぶりの新作となる青山監督は、クランクイン初日に「本当にまっさらなというか、新鮮な気持ちで1カット1カット丁寧に撮っていければ」と心境を告白。第53回カンヌ映画祭国際批評家連盟賞・エキュメニック賞に輝いた「EUREKA」などとは全く作風が異なるが、「僕の作品の色というものがあるのだとしたら、それを消したいというか全く違うことをやりたい。それが僕の本質なので、今回もやはり今までと全く違うことをやろうとしています」とコメントを寄せた。
「東京公園」は、2011年に全国で公開。